ニコラ・プッサンは1594年、フランス北部ノルマンディーのレザンドリで生まれた。若い頃にパリへ移り、画家の工房で学ぶ。ラファエロらの作品や版画にも触れた。1624年にローマへ渡り、1640年代初めの短いフランス滞在を除いて、亡くなるまで同地で制作した。
ローマでは古代彫刻を観察し、人物の姿勢や身振りを研究した。バルベリーニ枢機卿の注文による《ゲルマニクスの死》や、サン・ピエトロ大聖堂のための《聖エラスムスの殉教》が初期の大きな仕事となる。古代史だけでなく、聖書や神話からも題材を選んだ。
1630年代には《サビニの女たちの略奪》など、多くの人物が動く場面を描いた。一方、《アルカディアの牧人たち》では、墓碑を囲む人々の静かな身振りへ目を向ける。物語の出来事を並べるだけでなく、見る人が人物の関係や場面の意味を読み取れるように画面を組み立てた。
1640年にフランス王の招きでパリへ戻り、王の首席画家となった。しかし宮殿の大規模な装飾を進めるよりも、ローマで制作を続ける道を選び、1642年に戻った。その後はフランスの注文主へ作品を送り、宗教画に加えて、人と自然を一つの場面に置く風景画にも取り組んだ。
晩年の《四季》は、春夏秋冬それぞれの風景に聖書の物語を重ねた四枚組である。ルーヴル美術館は制作を1660~1664年とし、四枚の正確な制作順は分からないと説明する。プッサンは1665年にローマで亡くなった。
晩年の《四季》四枚は、それぞれ異なる聖書の物語を風景に重ねる。
出典:ワシントン・ナショナル・ギャラリー 作家記録 / ルーヴル美術館《四季:冬》作品記録(2026-09-25 確認)
《四季》の制作順は未確定。初期作品の年代は所蔵館ごとの記載を優先する。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
50の名画でたどる西洋美術史 角川選書ビギナーズ
宮下 規久朗 著 / KADOKAWA
プッサンの《アルカディアの牧人たち》を含む50点の名画から、西洋美術史の流れをたどる本です。
楽天ブックスで見る →