ピエール・ピュヴィ・ド・シャヴァンヌは1824年にフランスのリヨンで生まれ、1898年にパリで亡くなった。19世紀後半に公共建築の壁画で広く知られた画家である。穏やかな色と単純な形で、古代の理想郷や人々の営みを大きな画面に表した。
1860年代には《戦争》《平和》、続く《労働》《休息》などを通じて大画面の構成を探った。アミアンのピカルディ美術館から、リヨン美術館、パリ市庁舎、ソルボンヌの大講堂などへ活動の場が広がる。ここには壁画の習作や画家自身が描いた縮小版も含め、元の壁画との違いを明記した。
《気球》《伝書鳩》《希望》には、普仏戦争とその後の時代へのまなざしが見える。一方、《海辺の少女たち》《貧しき漁夫》《夢》では、少ない色と静かな姿勢を通して、見る人が物語を考える余地を残した。現実を細密に写すことより、人物の配置や色の響きで意味を生む画家だった。
ここでは1861年頃から1890年代前半までの16作品を並べた。壁画のための素描、習作、縮小版と、独立した油彩画を区別している。大画面の公共美術を手がけながら、同じ構図を手元のキャンバスにも描き直したため、所蔵館ごとに異なる版がある。作品名だけでなく、制作年・技法・場所を合わせて見てほしい。
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