何が描かれているか
生まれたばかりのキリストのもとへ、東方の三博士が贈り物を持って訪れた場面。手前でひざまずき、黄金・乳香・没薬を捧げている。
人の多い構図が半円状に組まれ、その焦点に聖母子が置かれる。ウフィツィ美術館は主題を公現祭(聖アウグスティヌスによれば、すべての民がキリストの呼びかけに応える日)として説明する。
作品の見どころ
未完成のまま止まっている。美術館はこの絵を「下描きの初期段階で執行が宙づりになったままの絵」と記す。人物によって進み具合が違い、ほとんど輪郭だけの者もいれば、着想をつかまえるように描き込まれた者もいる。
完成した絵は、迷った跡を塗り込めて隠してしまう。この絵は途中で手が止まったおかげで、どこから描き始め、何を先に決めていたのかが残った。空には鉛白の下塗りとラピスラズリが置かれている。考えている最中の画面が、そのまま見える。
制作背景
1481年7月の文書によれば、フィレンツェの城壁の外にあるサン・ドナート・ア・スコペート聖堂の、主祭壇の板絵として注文された。頼んだのはアウグスティノ会の修道士たち。仕上げの期限は30か月と決められていた。
同じ年の9月には、まだ描いていた記録がある。ところがその後、彼はフィレンツェを離れ、ミラノの宮廷へ移ってしまう。制作はそこで止まった。