1848年
31歳頃

チェシュメの海戦

画家 イヴァン・アイヴァゾフスキー →
Чесменский бой / フェオドシヤ・アイヴァゾフスキー絵画館
夜の港で軍艦が燃え上がり、炎と煙が空を覆う。

何が描かれているか

夜の港で軍艦が燃え上がり、炎と煙が空を覆う。手前の海には壊れた船の破片と、逃れようとする人々が見える。1770年に起きたロシアとオスマン帝国の海戦を、画家が後世に描いた歴史画である。勝利を記念する題材でも、まず目に入るのは船を失った人々と火の広がりだ。出来事の年と絵の制作年を分けて見たい。

作品の見どころ

赤い炎は暗い船体や水面に映り、上空には薄い月も見える。二つの光を比べると、月の静けさに対し、炎は画面の中央で激しく動く。前景に小舟や漂う人を置き、遠景に海岸の町を描いたことで、戦闘の広がりが伝わる。煙に隠れた船の形を一つずつ探すと、勝利の一場面という単純な眺めではない。

制作背景

フェオドシヤ・アイヴァゾフスキー絵画館は1848年の作品として紹介し、館の所蔵品だと記す。同館の説明では、画家は燃える船、逃れる人々、海辺の町を描き、月と炎を対置した。作品が表すのはロシア側の勝利だが、史実を現場で観察した記録ではない。海戦から約78年後に、光と煙で過去の事件を再構成した絵である。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩ゆさい
所蔵
フェオドシヤ・アイヴァゾフスキー絵画館

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Ivan Aivazovsky《チェシュメの海戦》/Wikimedia Commons / Public domain
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