1848年
31歳頃

戦いの後、ロシア艦隊と合流するブリッグ「メルクーリイ」

画家 イヴァン・アイヴァゾフスキー →
Бриг «Меркурий» после победы над двумя турецкими судами встречается с русской эскадрой / ロシア美術館(サンクトペテルブルク)
雲が重なる海を一隻の帆船が進み、遠くには別の艦隊が見える。

何が描かれているか

雲が重なる海を一隻の帆船が進み、遠くには別の艦隊が見える。中心の船はロシア海軍のブリッグ「メルクーリイ」。ブリッグは二本のマストを持つ帆船の一種である。題名が示すのは戦闘そのものではなく、二隻のオスマン帝国の軍艦から逃れた後、味方と合流する場面だ。まず船の向きと、遠方の小さな船影を見比べたい。

作品の見どころ

雲の間の明るい空が帆と水面を照らす一方、周囲は青黒い色に沈む。目の前で砲火は上がっていないが、低い雲と荒れた水が直前の危険を感じさせる。大きな船を画面の端に寄せ、進む先を広く空けたことが、帰還の動きを作る。近景の船と遠景の艦隊の距離は、物語がまだ終わっていないことを示すようだ。

制作背景

ロシア美術館は1848年の油彩ゆさい画として所蔵する。同館の解説は、1829年に実際に起きたメルクーリイとオスマン帝国艦の戦いを題材とし、損傷した船が艦隊へ戻る瞬間を描いたと説明する。画家は海の風景を軍事史の物語にも使った。ただしこの絵は戦場の写真ではない。出来事を後から一枚の構図こうずへまとめた歴史画である。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩
所蔵
ロシア美術館(サンクトペテルブルク)
目録
Ж-2209

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Ivan Aivazovsky《戦いの後、ロシア艦隊と合流するブリッグ「メルクーリイ」》/Wikimedia Commons / Public domain
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