1835年
18歳頃

ペテルブルク近郊の海辺

画家 イヴァン・アイヴァゾフスキー →
Вид на взморье в окрестностях Петербурга / トレチャコフ美術館(モスクワ)
海辺の小舟に一人の漁師が座り、背後には低い水平線が続く。

何が描かれているか

海辺の小舟に一人の漁師が座り、背後には低い水平線が続く。画面の大半を占めるのは海ではなく、明るい雲が広がる空だ。のちに巨大な波を描く画家も、ここでは静かな岸から空を見上げている。縦長の形が、舟の細い帆柱と雲の高さを強調する。人物を先に探してから空へ視線を移すと、絵の広がりが分かりやすい。

作品の見どころ

岸の暗い土と小舟は画面の下に集まり、上に行くほど雲の形と光の変化が目立つ。小さな漁師は風景に置かれた目印のようで、人間の大きさと空の広さを比べさせる。波は穏やかでも、雲の重なりには動きがある。明るい部分と灰色の部分を追うと、天気が変わっていく途中の空にも見える。

制作背景

トレチャコフ美術館は1835年、画家が美術アカデミーで学んでいた時期の作品と記録する。翌年の展覧会に出され、金メダルを受けた。同館は若い画家がオランダやフランスの絵を研究したことにも触れる。後年の華やかな夕焼けとは違うが、水面と空の関係をすでに主題にしている。画面下部の「ガイ」という署名は、改名以前の名前を伝える。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩ゆさい
所蔵
トレチャコフ美術館(モスクワ)
目録
Инв.5805

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Ivan Aivazovsky《ペテルブルク近郊の海辺》/Wikimedia Commons / Public domain
Commonsはパブリックドメインと表示。二次元複製の扱いには法域による留保がある。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

世界史で読み解く西洋絵画
らち まゆみ 著 / SBクリエイティブ
《第九の波》を世界史とのつながりから扱う日本語の美術入門書。アイヴァゾフスキーの単独画集ではありません。
楽天ブックスで見る →