1844年
27歳頃

ヴェネツィアの潟、サン・ジョルジョ島

画家 イヴァン・アイヴァゾフスキー →
Венецианская лагуна. Вид на остров Сан-Джорджо / トレチャコフ美術館(モスクワ)
淡い朝の光がヴェネツィアの潟を照らし、船と島の建物が水平に並ぶ。

何が描かれているか

淡い朝の光がヴェネツィアの潟を照らし、船と島の建物が水平に並ぶ。潟は海と陸が入り混じる浅い水域である。題名のサン・ジョルジョ島は遠景に小さく置かれ、手前には舟が浮かぶ。目立つ事件は何も起こらないが、空と水の境が溶け合うような明るさが、見る人を静かな朝へ導く。

作品の見どころ

右側の帆と舟は細い縦線を作り、広い水平線に変化を与える。画面の左へ視線を動かすと、島の建物は霞かすみの中に低く沈んでいる。手前の水面にもはっきりした波は少なく、空の色を受けた淡い反射が続く。人物や船を小さくした構図こうずのおかげで、水と空そのものの広さが伝わる。近づいて見るほど色の薄い違いに気づく。

制作背景

トレチャコフ美術館は1844年に木の板へ油彩ゆさいで描いた小品と記録する。画家は1840年にヴェネツィアへ渡り、この絵を後にペテルブルクで旅の記憶から制作した。同市にはアルメニア系の修道院しゅうどういんがあり、兄ガブリエルがそこで活動していた。同館の解説は、風景と画家の家族のつながりを伝える。旅先の記憶が制作地から離れても続いた例である。

作品情報

材質・技法
木の板に油彩
所蔵
トレチャコフ美術館(モスクワ)
目録
Ж-1042

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Ivan Aivazovsky《ヴェネツィアの潟、サン・ジョルジョ島》/Wikimedia Commons / Public domain
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