古代の大きな舞台を描く前の、若いアルマ=タデマ。現存する頭部の断片に、顔と肌の表現が残っています。
何が描かれているか
若い女性が顔を横へ向け、目を伏せています。黒い髪が額から頬のそばへ流れ、暗い背景の前に、鼻の輪郭や肩の明るい肌が浮かびます。赤い首飾りと小さな耳飾りも見えます。
マグダラのマリアを描いた作品ですが、現在の一枚だけで元の構図全体を想像し切ることはできません。館の目録は本作を「断片」とし、別の断片と合わせて胸像を構成すると説明しています。
作品の見どころ
まず閉じた目から鼻、口元へ続く輪郭を見てください。派手な身ぶりや多くの小道具がなくても、顔の傾きとまぶたの陰が、静かに内側へ意識を向けるような印象を生んでいます。
首飾りの赤は、肌と暗い背景の間で小さな目印になります。のちの豪華な古代の室内画に比べ、少ない色と近い視点で、一人の顔を見せる表現に集中できます。
制作背景
署名と年記から1854年の作品とされ、アルマ=タデマがまだ十代だった時期に当たります。材料は紙に油彩を描き、板に貼り付けたものです。カンヴァスの作品と取り違えないようにします。
掲載画像は、国立美術館に残る頭部の断片を全体で示しています。こちらで顔だけを切り抜いた画像ではありません。現存する範囲を知ったうえで、若い時期の細やかな人物表現を見てください。
現存する頭部の断片です
作品自体が頭部の断片です。所蔵館は別断片SK-A-4173と合わせて胸像を構成すると説明。元の絵の全景や失われた範囲を復元した画像ではありません。
作品情報
位置づけ
若い時期の人物表現。現存する頭部断片としての宗教画。
出典・画像について
画像:Lawrence Alma-Tadema《マグダラのマリア(頭部の断片)》/マグダラのマリア(頭部の断片) — Lawrence Alma-Tadema / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の複製画像。扱いは国・地域で異なります。
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