何が描かれているか
花を身につけた女性と子どもの行列が、細長い大理石の街路を進む。建物の窓や屋上には観客が並ぶ。
画面下から上まで、花、楽器、衣装、建築が途切れず続く。
画面下から上まで続く人物列を追うと、行列の長さと大理石建築の高さが同時に感じられる。白い石の中へ黄色、紫、赤の花が点々と置かれ、窓や屋上から身を乗り出す観客まで祝祭の動きに巻き込まれる。
作品の見どころ
極端に縦長の画面が、行列の長さと建物の高さを同時に感じさせる。
白い大理石の中に黄色、紫、赤の花を散らし、視線をゆっくり奥へ導く。
一人の主人公を探すより、行列を下から上へゆっくり追うとよい。花の色が視線を受け渡し、窓や屋上の観客へ到達する。縦長画面そのものが、終わりの見えない祝祭の時間を作っている。
制作背景
1894年制作。ヴィクトリア朝イギリスの五月祭の習慣を、古代ローマの祝祭へ置き換えた。
古代風の建築と衣装は研究に基づくが、場面全体は同時代の習慣と想像を組み合わせている。
舞台は古代ローマ風だが、出発点はヴィクトリア朝イギリスの五月祭である。建築、衣装、彫像、楽器には古代資料の研究が使われる一方、行事全体は実在した一日の記録ではない。同時代の春の習慣を古代へ移した、考証と想像の祝祭である。