何が描かれているか
明るい青空を背に、白い花をつけたアーモンドの枝が画面いっぱいに広がっている。上も下も切れていて、木そのものの全体は見えない。
輪郭がはっきりしていて、枝の配置が画面を平らに区切っている。この構図も、太い輪郭線も、画面のなかでの木の置き方も、日本の版画から借りたものである。奥行きを作らず、面として見せる。
作品の見どころ
この絵は贈り物だった。弟テオとその妻ヨーに、男の子が生まれたのである。子の名前はフィンセント・ウィレム。伯父にあたるゴッホと、同じ名前がつけられた。春のいちばん早く咲く花を選んだのは、そのためである。
テオは誕生を知らせる手紙にこう書いている。「前に伝えたとおり、この子にはあなたの名前をつけます。そしてこの子が、あなたと同じように強く、勇気のある人になるようにと願っています」。ゴッホ家の人々にとって、この絵がいちばん近しい1枚になったのは当然だった。
制作背景
1890年2月、36歳。サン=レミの療養所で描かれた。
花をつけた大きな枝を青空に置く。ゴッホが好んだ構図である。日本の版画から、主題も、太い輪郭線も、画面のなかでの木の置き方も取り入れている。奥行きを深く見せるのではなく、面として組み立てる描き方だ。