1338〜1339年
年齢不詳

悪政の寓意

画家 アンブロージョ・ロレンツェッティ
Allegory of Bad Government / シエナ市立美術館
縛られた正義と暴君の玉座で、政治の危険を見える形にした。

何が描かれているか

壁の中央では暴君を表す人物が高く座り、その足元に「正義」が鎖につながれている。周囲には悪徳を人の姿にした像が並ぶ。善政の壁にある天秤や綱と比べると、正義が働けないことが画面の中心になっている。
人物の名前をすべて覚えなくても、玉座の上下を見れば力の関係が分かる。高い位置で命じる者と、下で動けない正義。

作品の見どころ

「寓意」は抽象的な考えを人物や物に託す方法である。悪い政治を特定の一人の肖像として描くのではなく、正義を縛り、暴力が優位になる状態として示した。だからこそ壁画は会議室で警告として働く。
絵具が失われた部分もあり、現在見える人物の表情や色だけで当初のすべてを復元できない。

制作背景

シエナ市立美術館は1338〜1339年の壁画とし、同じ部屋に《悪政の効果》が続くと説明する。市政を担う人々が働いた空間に、よい統治だけでなく、その反対の結果を見せる仕組みがあった。
向かいの《善政の寓意》と同じように玉座や人物の象徴を用いながら、意味は逆へ向かう。二つの壁を往復すると、個々の美徳や悪徳より、正義をどう扱うかが政治の分かれ目として浮かぶ。

作品情報

材質・技法
フレスコ、壁
所蔵
シエナ市立美術館
位置づけ
縛られた正義と暴君の玉座で、政治の危険を見える形にした。

出典・画像について

出典:museocivico.comune.siena.it 公式記録2026-09-23 確認)
画像:Ambrogio Lorenzetti悪政の寓意》/悪政の寓意 — Ambrogio Lorenzetti / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-23 確認)
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