1338〜1339年
年齢不詳

悪政の効果―都市と田園

画家 アンブロージョ・ロレンツェッティ
Effects of Bad Government in the City and Countryside / シエナ市立美術館
荒れた街と土地に、統治の失敗が暮らしへ及ぶ様子を描いた。

何が描かれているか

街の中では建物が傷み、人々の間に争いや暴力が起きる。周辺の土地にも安全な往来や農作業の姿が見えにくい。善政の壁の賑わいと対応させ、同じ都市と田園が別の状態へ変わったように見せる。
壊れた建築は背景の飾りではない。住む場所や働く場が保たれないことを、壁や屋根の傷みで伝える。

作品の見どころ

色の損失や壁画の傷みが大きい部分では、個々の動作を細かく断定しにくい。はっきり見える人物と建物を確認し、残る構図こうず全体から、混乱した都市という主題を読む。欠けたところを想像で補わない。
善政の都市と田園は、道が人と物をつなぐ場面だった。こちらでは移動の安心が失われ、街と土地の関係が途切れる。両方の壁を比べて初めて、政治の成否を日常の変化として示す仕掛けが分かる。

制作背景

シエナ市立美術館はこの画面を1338〜1339年の連作れんさくの一部として記録する。行政を担う「九人委員会」の部屋に置かれ、悪政を遠い昔話ではなく、現在の選択に関わる警告として見せた。
絵に描かれた暴力を、当時実際に起きた特定事件の記録として扱う必要はない。理想の街と荒れた街を向かい合わせ、統治が人々の暮らしを左右するという主張を視覚化している。

作品情報

材質・技法
フレスコ、壁
所蔵
シエナ市立美術館
位置づけ
荒れた街と土地に、統治の失敗が暮らしへ及ぶ様子を描いた。

出典・画像について

出典:museocivico.comune.siena.it 公式記録2026-09-23 確認)
画像:Ambrogio Lorenzetti悪政の効果―都市と田園》/悪政の効果―都市と田園 — Ambrogio Lorenzetti / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-23 確認)
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