1320年代〜1330年頃(諸説)
年齢不詳

授乳する聖母

画家 アンブロージョ・ロレンツェッティ →
Madonna del Latte / シエナ教区聖美術館
母の視線、子の口、腕に踏ん張る足。授乳の細かな動作が、聖母子せいぼしを身近な身体へ近づける。

何が描かれているか

聖母マリアが幼子おさなごキリストを横に抱き、乳を与えている。子の口は母の胸へ近づき、小さな手も胸のそばへ伸びる。母は顔を傾かしけて子を見つめる。祈りのための聖母子像に、食べて育つ子どもの姿が重なる。
尖った上端と金の光輪が、二人を囲む。顔の向きだけを追うと母と子は近いが、子の目は外へも向く。視線と身体の向きが、少しずつ違うことに注目したい。

作品の見どころ

幼子の片足は母の腕に押し当てられ、布に包まれた身体は横へ伸びる。母の指は背中と身体を支える。手と足のつながりを見ると、抱かれた子の動きと、それを受けとめる腕が読める。
金地は遠くの景色を示さず、青と赤の衣や明るい肌を引き立てる。衣の縁の細かな模様と、指の細い線を見比べると、装飾の秩序と身体の動きが同じ画面にあることが分かる。

制作背景

所蔵はシエナ教区聖美術館。制作年には幅があり、シエナ美術館財団は1320年代初め、大司教区の貸出解説は1330年頃とする。同じ作品でも年代の見方が異なり、一年に絞ることはできない。
財団は、聖母を母親として示す授乳の身振りに、この作品の特徴を見る。実在の母子の肖像と断定するのではなく、聖なる人物を、見る人が知る育児の動作に重ねた像として眺めたい。

作品情報

材質・技法
板にテンペラ、金地
所蔵
シエナ教区聖美術館
位置づけ
授乳の身振りを描く聖母子像。制作年代には異説がある

出典・画像について

画像:Ambrogio Lorenzetti《授乳する聖母》/Ambrogio Lorenzetti / Fondazione Musei Senesi, Google Art Project; Wikimedia Commons 忠実な平面複製
画像の出典 / PDM(画像情報:2026-10-01 確認)
Commonsの個別PD表示に基づく忠実な平面複製。複製画像の扱いには法域差があります。 イタリアの文化財の画像利用規則など、原作品の著作権とは別の扱いがあり得ます。
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