四人の顔の重なりから、失われた壁画の広がりを考える。断片の形と、残る色を慎重に見分ける。
何が描かれているか
白い布を頭にかぶった四人の修道女が、同じ方向へ顔を向ける。前の人物は胸へ手を置き、後ろの顔は衣に一部隠れる。クララ会は、聖クララが始めた、貧しく慎ましい生活を重んじる女性の修道会である。
館は、衣に残る茶色を彼女たちの修道服と結びつける。現在の薄い色だけを制作時の完成した配色と考えず、失われた絵具やひびを含む壁画の断片として見る。
作品の見どころ
手前の横顔と奥の目を順に追うと、狭い画面でも人々の重なりに奥行きがある。白い布の縁、黒い外衣、顔の淡い色が、隣り合う人物を少しずつ分けている。
断片の周囲には補われた漆喰もある。研究目録は丸く見える形が当初の輪郭ではないと説明する。絵の外形から作者が円形の構図を選んだと断定せず、残る人物の配置に注目したい。
制作背景
館はシエナのサン・フランチェスコ修道院の壁画に由来し、1855年に白塗りの下から見つかったと記す。湿った漆喰に描くフレスコに、乾いた面への加筆であるセッコを併用している。
制作年は現行ページが1320年代、2011年の研究目録が1336〜1340年頃に疑問符を付す。元の主題も未確定で、聖フランチェスコが会則を渡す場面の一部という説を、館は可能性として挙げる。
作品情報
材質・技法
フレスコ、一部セッコ(壁から取り外して保存)
位置づけ
サン・フランチェスコ修道院に由来する壁画断片
出典・画像について
画像:Ambrogio Lorenzetti《クララ会の四人の修道女》/Ambrogio Lorenzetti / The National Gallery, London / Art UK; Wikimedia Commons 忠実な平面複製
Commonsの個別PD表示に基づく忠実な平面複製。複製画像の扱いには法域差があります。 館サイト配布の画像にはCC BY-NC-ND等の条件があり、このCommons別ファイルのPD表示とは分けて確認しています。
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