1425〜1426年
30歳前後

受胎告知じゅたいこくち

画家 フラ・アンジェリコ
The Annunciation / プラド美術館
静かな柱廊の出来事を、楽園追放から続く救済の始まりとして描いた。

何が描かれているか

大天使だいてんしガブリエルが柱廊の下でひざまずき、読書を中断した聖母マリアが胸の前で腕を組む。二人の間には細い柱が立ち、上方からはとと光がマリアへ向かう。
左の庭ではアダムとエバが天使に追われて楽園を出る。下段の小画面には聖母の誕生から死までが並び、中央の受胎告知を長い物語の一場面として補う。

作品の見どころ

柱と床の線が奥の部屋へ視線を運び、ガブリエルとマリアを同じ空間に置く。一方で翼、衣、草花には金と細密な模様が残り、古い祭壇画さいだんがの輝きと新しい遠近法えんきんほうが共存する。
楽園追放と受胎告知を左右に置いたため、失われた楽園と救済の始まりを一度に見渡せる。人物の大きな身ぶりより、伏せた目と折り畳んだ腕が出来事の静けさをつくる。

制作背景

プラド美術館は1425〜1426年、ポプラ板にテンペラの祭壇画として登録する。フィエーゾレのサン・ドメニコ修道院しゅうどういんのために制作され、下段には聖母の物語が連続している。
フラ・アンジェリコはドミニコ会修道士しゅうどうしでもあった。宗教の教えを並べるだけでなく、植物、建築、光を細かく描き、見る人が受胎告知の意味を順に考えられる画面にした。

作品情報

材質・技法
テンペラ、ポプラ板
所蔵
プラド美術館
位置づけ
受胎告知と人類の堕落を同じ画面に置き、救済の始まりとして結びつけた祭壇画。

出典・画像について

出典:プラド美術館 作品記録2026-09-22 確認)
画像:Fra Angelico受胎告知》/受胎告知 — Fra Angelico / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
Public Domain表示の画像です。扱いは国・地域によって異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」
ヌヴィル・ローレ 著/森田 義之 監修/遠藤 ゆかり 訳 / 創元社
初期作品からサン・マルコ修道院のフレスコ画、ローマでの仕事まで、生涯と宗教画をカラー図版でたどる入門書です。
楽天ブックスで見る →