階段の頂点へ視線を導き、天上の集まりを整った空間として見せる。
何が描かれているか
石の階段の最上段でキリストが聖母マリアの頭へ冠を置く。二人を金色の光が包み、左右の段には楽器を奏でる天使、修道士、司教、殉教者らが並ぶ。
前景の聖人は背を向けたり横を向いたりしながら、中央の戴冠を見上げる。色の異なる衣が段ごとに連なり、人物の列が階段とともに奥へ細くなる。
作品の見どころ
天上の出来事を平らな金地に浮かべず、登れる階段の上へ置いた。段の幅と人物の大きさが少しずつ変わるため、多数の聖人を通って中心へ近づく感覚が生まれる。
金、青、赤、桃色を細かく反復し、集団を一つの色の流れにする。聖人の顔や持ち物は一人ずつ異なり、遠くからは秩序、近くからは個人が見える構成になっている。
制作背景
ルーヴル美術館は15世紀第2四半期、つまり1425〜1450年の板絵として登録する。フィエーゾレのサン・ドメニコ修道院の祭壇画だったとされ、上部の尖った輪郭は当初からの形である。
祭壇画の一部は失われた可能性があり、現在の外形だけで最初の全体像を完全には復元できない。残った主要画面では、遠近法が礼拝者の視線を聖母の戴冠へ導いている。
作品情報
位置づけ
多数の聖人を段状に並べ、奥へ上がる階段の頂点で聖母の戴冠を見せる祭壇画。
出典・画像について
画像:Fra Angelico《聖母戴冠》/聖母戴冠 — Fra Angelico / Wikimedia Commons
Public Domain表示の画像です。扱いは国・地域によって異なります。
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フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」
ヌヴィル・ローレ 著/森田 義之 監修/遠藤 ゆかり 訳 / 創元社
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