エジプトへの逃避(銀器棚の一場面)
画家 フラ・アンジェリコ →Flight into Egypt, from the Armadio degli Argenti / サン・マルコ美術館
丘の道を進む小さな家族。晩年の連作と工房の仕事をたどる。
何が描かれているか
幼子を抱く聖母がロバに乗り、ヨセフが杖と荷物を持って先を歩く。丘の道の向こうには木や小さな建物が続く。これは幼子を守るため、聖家族がエジプトへ逃れる場面である。上下には文字を記した帯があり、絵だけを切り出すと失われる部分も残した。銀器棚の扉を飾った連作のうちの一場面で、棚全体を一枚の絵として掲載しているわけではない。
作品の見どころ
聖母の青い衣がロバの背から大きく広がり、ヨセフの黄褐色の服と並ぶ。顔を寄せ合う母子に対して、ヨセフの体は進む方向へ向く。細い木と道が遠くに続くため、小さな画面でも移動する距離が感じられる。丘の輪郭、動物の脚、二人の人物の歩く向きをたどってみたい。大きな礼拝堂壁画と比べれば、少ない人物で一つの出来事を伝える物語の組み立てが見えてくる。
制作背景
文化財目録は1450〜1453年頃、アンジェリコと助手の仕事とし、ザノービ・ストロッツィへの別の帰属も記載する。本人の単独作とは断定しない。連作はサンティッシマ・アンヌンツィアータの貴重な奉納品を収める棚に関わる。注文年の伝承には文書の裏づけがないため、確定年として用いていない。
出典・画像について
画像:Fra Angelico and assistants《エジプトへの逃避(銀器棚の一場面)》/The Yorck Project / Wikimedia Commons
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく二次元絵画の忠実複製。取得JPEGは無変更。国・地域で扱いが異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」
ヌヴィル・ローレ 著/森田 義之 監修/遠藤 ゆかり 訳 / 創元社
初期作品からサン・マルコ修道院のフレスコ画、ローマでの仕事まで、生涯と宗教画をカラー図版でたどる入門書です。
楽天ブックスで見る →