審判の全体像を、中央の墓と左右へ分かれる二つの道で読み解ける。
何が描かれているか
画面上部ではキリストが光の輪の中に座り、左右に聖母、洗礼者聖ヨハネ、使徒、天使が並ぶ。下では蓋の開いた墓から死者が起き上がり、審判を受ける。
中央の墓列を境に、左では天使が救われた人々を花の咲く楽園へ導き、右では悪魔が人々を地獄へ追う。小さな場面が一本の長い板の上で同時に進む。
作品の見どころ
中央にまっすぐ伸びる墓の列が、鑑賞者の場所から審判者キリストまでを結ぶ。人物を単に上下へ並べず、遠近法で奥へ続く道に変えた点が初期ルネサンスらしい。
左の輪舞は手をつないだ人と天使が軽く進み、右側は押す、引く、落ちる動きが重なる。天国と地獄を色だけでなく、身体の動く速さと方向で対照させている。
制作背景
サン・マルコ美術館は本作を主要な板絵として所蔵し、近年の公式記録では1425〜1428年頃とされる。上部が三つに分かれる独特の形から、当初の設置場所と用途には複数の説がある。
古い資料はフィレンツェのサンタ・マリア・デッリ・アンジェリ教会にあったと伝えるが、最初からどこに置かれたかは確定していない。形の理由を一つに決めず、現在分かる画面構成から見る。
作品情報
位置づけ
墓からよみがえる人々を中央に置き、左の楽園と右の地獄へ分かれる道筋を示す。
出典・画像について
画像:Fra Angelico《最後の審判》/最後の審判 — Fra Angelico / Wikimedia Commons
Public Domain表示の画像です。扱いは国・地域によって異なります。
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この画家について本で読む
フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」
ヌヴィル・ローレ 著/森田 義之 監修/遠藤 ゆかり 訳 / 創元社
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