施しをする聖ラウレンティウス
画家 フラ・アンジェリコ →Saint Lawrence Distributing Alms / ヴァチカン・ニッコリーナ礼拝堂
列柱の前で交わされる手。ローマの礼拝堂で、人と建築を描く。
何が描かれているか
赤い服の聖ラウレンティウスが、袋を持ちながら人々へ施しをする。子ども、幼子を抱く女性、杖を使う人などが周りへ集まる。背景には列柱の続く建物があり、真ん中の奥には半円形の大きな空間が見える。聖人を一人だけ取り出した像ではなく、手を伸ばす人や身をかがめる人とのやり取りが主題になる。左右の人々の手を順番に追ってみたい。
作品の見どころ
中心の赤い衣には金色の模様が重なり、周囲の青や褐色から浮かぶ。人物の上では柱が整然と並び、遠くへ小さくなっていく。下半分の多様な身ぶりと、上半分の静かな建築を見比べると、同じ画面の違うリズムが分かる。サン・マルコの僧房壁画と比べれば、ここでは人も建築も増えている。物語を読むと同時に、人物が立てる広い空間を楽しめる。
制作背景
教皇ニコラウス5世が注文したニッコリーナ礼拝堂の壁画群の一場面。ヴァチカン美術館は1448年2月と3月の支払文書を挙げるため、その頃の制作とした。これはこの一場面だけの完成日や、全ての筆を本人に確定するものではない。礼拝堂全体では、ラウレンティウスとステファノの生涯が並行して描かれる。
出典・画像について
画像:Fra Angelico(年代・共同制作者の留保は本文)《施しをする聖ラウレンティウス》/Web Gallery of Art / Wikimedia Commons
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく二次元絵画の忠実複製。取得JPEGは無変更。国・地域で扱いが異なります。
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この画家について本で読む
フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」
ヌヴィル・ローレ 著/森田 義之 監修/遠藤 ゆかり 訳 / 創元社
初期作品からサン・マルコ修道院のフレスコ画、ローマでの仕事まで、生涯と宗教画をカラー図版でたどる入門書です。
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