商人組合が頼んだ聖母子。開く扉と大理石の枠まで含めて眺める。
何が描かれているか
大理石の大きな枠の中で、青い衣の聖母が幼子を抱く。後ろの金の幕は左右へ開き、内側の縁には小さな天使が並ぶ。左右の開いた扉にも聖人が描かれ、下段には小さな物語画が続く。この扉付きの礼拝像を「タベルナコロ」と呼ぶ。ここでは聖母子だけの部分写真ではなく、枠と扉を含む全体を掲載した。絵がどのような形で見られたかも考えられる。
作品の見どころ
聖母の青、幼子の暗い衣、背後の金を見比べたい。天使の小さな体が曲線に沿って並び、中心の母子を囲む。資料では天使は十二体で、楽器を奏でるものと祈るものがいる。中央の大きな母子、扉の立つ人物、下段の小さな場面では、体の大きさや余白の使い方も違う。絵の近くへ寄って細部を見てから、全体へ戻ると、枠が視線を集める働きにも気づける。
制作背景
亜麻布や古着を扱うリナイウォーリ組合から1433年に注文された。大理石枠のデザインはギベルティによるため、全体を画家一人の仕事とはしない。2025年展の全体の制作期間1432〜1436年を採用し、確定した完成年とは区別する。都市の商人からの注文を知る重要な作例である。
出典・画像について
画像:Fra Angelico (painting); Lorenzo Ghiberti (marble frame design)《リナイウォーリの聖母(タベルナコロ)》/Rufus46 / Wikimedia Commons
写真: Rufus46 / Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0。取得JPEGは無変更。表示用WebPのみ等比縮小し、同じCC BY-SA 3.0を継承。絵画の全場面と枠を保持。
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この画家について本で読む
フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」
ヌヴィル・ローレ 著/森田 義之 監修/遠藤 ゆかり 訳 / 創元社
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