聖コスマスと聖ダミアヌスの殉教
画家 フラ・アンジェリコ →Le Martyre des saints Cosme et Damien / ルーヴル美術館
祭壇画の下段にあった物語。小さな板絵で人物と風景を組み立てる。
何が描かれているか
城壁と細長い木の前に、兵士や目隠しされた聖人たちが集まる。右では剣を振り上げた人物が立ち、手前には倒れた体が横たわる。聖コスマスと聖ダミアヌス、その兄弟たちが処刑される場面である。穏やかな聖母子の絵と比べると厳しい物語だが、鮮やかな服や遠くの山、整った木の列も描かれる。人物の動きと景色の落ち着きが、同じ小画面の中にある。
作品の見どころ
左に集まる人々と、右の剣を持つ人物の間を、細い木が分ける。縦へ伸びる幹に対して、倒れた体は下辺に沿って横へ広がる。赤や青の服を追うと、画面のあちこちへ目が移る。左右の金色の柱も、別に置かれた額縁ではなく画中に描かれた装飾である。背景の城壁が小さくなる様子や道の曲がりをたどれば、板の上に奥行きを作る工夫を楽しめる。
制作背景
サン・マルコ教会の主祭壇画の下段、「プレデッラ」に属した一枚。中央の《サン・マルコ祭壇画》と合わせると、大きな聖母子と小さな連続物語の役割を比べられる。RF 340、ポプラ板のテンペラで、フランス文化省目録は1440年頃とする。現在はルーヴルに分かれて所蔵される。
出典・画像について
画像:Fra Angelico(年代・共同制作者の留保は本文)《聖コスマスと聖ダミアヌスの殉教》/Shonagon / Wikimedia Commons
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく二次元絵画の忠実複製。取得JPEGは無変更。国・地域で扱いが異なります。
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この画家について本で読む
フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」
ヌヴィル・ローレ 著/森田 義之 監修/遠藤 ゆかり 訳 / 創元社
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