復活後の距離を、近づくマリアと身を引くキリストの動きで示した。
何が描かれているか
復活したキリストが白い衣をまとい、園丁のように鍬を持って立つ。マグダラのマリアは赤い衣でひざまずき、触れようと両手を伸ばすが、キリストは身を引いて応える。
二人の間には細い空間が残り、背後の洞窟が空の墓を示す。地面には小さな赤や白の花が点々と咲き、柵と木々が静かな庭を囲んでいる。
作品の見どころ
近づくマリアと離れるキリストを、腕と足の逆向きの動きで表した。手は近いのに触れず、そのわずかな距離が「我に触れるな」という場面の中心になる。
花は飾りではなく、復活後の新しい生命を感じさせる。大きな奇跡の光を描かず、朝の庭、白い衣、二人の視線だけで、驚きと理解の遅れを静かに見せる。
制作背景
本作はサン・マルコ修道院の第1房に描かれたフレスコで、修道院の改築後、1438〜1445年頃の壁画群に属する。各房の絵は修道士が祈り、聖書の場面を黙想するために使われた。
約50点に及ぶ壁画群には工房の協力が含まれる。本作を含む各画面の筆を細部まで本人一人に割り当てるより、アンジェリコが組織した修道院全体の計画として見る必要がある。
作品情報
位置づけ
修道士の個室に描かれた壁画。復活後の出会いを、静かな庭と二人だけの身ぶりに絞った。
出典・画像について
画像:Fra Angelico《我に触れるな》/我に触れるな — Fra Angelico / Wikimedia Commons
Public Domain表示の画像です。扱いは国・地域によって異なります。
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