何が描かれているか
中央の聖母は幼子を抱いて玉座に座る。左右には聖人が並び、手前の二人がひざまずく。奥には柱と樹木が見え、画面の床は玉座へ向かって続く。
人物は同じ場所に集まりながら、視線と手の動きが少しずつ違う。聖母子だけを切り離さず、礼拝者がその場へ近づくような構成になっている。
作品の見どころ
床の線が奥へ細くなり、手前から聖母へ自然に目が進む。服の色は強いが互いに競わず、中央の青と赤を軸に落ち着いたリズムを作る。
本作は一枚の独立した小型聖母像ではない。祭壇で見上げられた大画面を、美術館で眺める現在の距離との違いも想像したい。
制作背景
イタリア文化省によると、1438〜1443年にサン・マルコ教会主祭壇のために制作された。メディチ家のコジモとロレンツォが教会改修と制作を支えた。
祭壇画は後に分散し、主パネルは修復を経てサン・マルコ美術館へ戻った。ここでは失われた元の枠や別所の小画面まで、画像にあるかのようには扱わない。 元の構成を考える際は、現存する主パネル一枚だけでは失われた枠や小画面の配置を再現できない。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
フラ・アンジェリコ 天使が描いた「光の絵画」
ヌヴィル・ローレ 著/森田 義之 監修/遠藤 ゆかり 訳 / 創元社
初期作品からサン・マルコ修道院のフレスコ画、ローマでの仕事まで、生涯と宗教画をカラー図版でたどる入門書です。
楽天ブックスで見る →