天使は絵の中に描かれていません。開いた本と、こちらへ伸びる手が、誰かの訪れを伝えています。
何が描かれているか
青いマントの女性が読書の手を止め、片手を前へ差し出しています。もう一方の手は胸元の布を押さえています。描かれるのは、キリストを産む知らせを受ける聖母。天使の姿も大きな光輪もないため、まず目の前の一人の女性として出会える絵です。
作品の見どころ
手前の書見台と、そこから上がる手が、見る人と聖母の距離を作っています。州の解説は、天使を鑑賞者のいる側へ想像させる構成と捉えています。ただし手の意味には、驚きや拒む仕草など複数の解釈があります。一つの感情へ決めずに、顔と手の関係を見たいところです。
制作背景
制作年には1474年頃から1476〜1477年頃までの説があります。シラクーザの《受胎告知》との共通点を重く見るか、ヴェネツィア滞在後の空間表現と考えるかで、位置づけも変わります。大きな物語を、一人の表情と身振りへ凝縮した点に、この画家の際立った力があります。
作品情報
所蔵
パラッツォ・アバテッリス州立美術館(パレルモ)
出典・画像について
画像:Antonello da Messina《受胎告知の聖母(パレルモ)》/受胎告知の聖母(パレルモ) — Antonello da Messina / Wikimedia Commons / 忠実な二次元複製 / Public Domain Mark 1.0
配布画像の全景を保持。作品内容の切り取り・色補正・拡大補間なし。
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