絵具が失われた場所は多くても、中央の柱と窓が、二人のいる部屋の奥行きを今に伝えています。
何が描かれているか
左に天使ガブリエル、右に読書を中断した聖母がいます。二人の間を大きな柱が隔て、その奥には窓と風景が続きます。欠損しているのは描かれた室内そのものではなく、長い年月で失われた絵の表面です。残る形を辿ると、整えられた建築と人物の位置関係が読み取れます。
作品の見どころ
天使の赤い衣と聖母の青いマントが、暗い室内で呼応します。柱の手前と奥、窓の外と内を見比べると、空間が何層にも開きます。保存状態のよい《受胎告知の聖母》と比べれば、同じ知らせを、一つの部屋で演じる方法と、一人の身振りへ凝縮する方法の違いも分かります。
制作背景
1474年、パラッツォーロ・アクレイデの教会のために描かれた作品です。州の記録は、湿気による損傷と、1914年に板からカンヴァスへ移した処置を説明しています。修復によっても大きな欠損は埋められませんでした。写真の状態を、画家が初めから意図した表現と取り違えないことも大切です。
作品情報
所蔵
パラッツォ・ベッローモ州立美術館(シラクーザ)
出典・画像について
画像:Antonello da Messina《受胎告知(シラクーザ)》/受胎告知(シラクーザ) — Antonello da Messina / Wikimedia Commons / 忠実な二次元複製 / Public Domain Mark 1.0
配布画像の全景を保持。作品内容の切り取り・色補正・拡大補間なし。
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