こちらへ突き出すような指。そのすぐ上には、描き直される前の手の輪郭がうっすら残っています。
何が描かれているか
正面を向いたキリストが右手を上げ、見る人を祝福しています。頭の周りに光輪はなく、背景も暗く抑えられています。長い巻き毛、赤い衣、青いマント。特別な場面の説明よりも、一人の人物と向き合う近さが先に伝わってきます。
作品の見どころ
指は奥行きに沿って重なり、手が手前へ出てくるように見えます。所蔵館によれば、画家は当初の手の向きを変更しました。年月とともに絵具が薄くなり、以前の輪郭が見えるのです。今の形と薄い線を比べると、人物をより近く感じさせる工夫を辿れます。
制作背景
下の紙片には署名と年記があり、館は1465年と読める、としています。一方で、技法の成熟から1470年代の制作とも考えられ、年代は単純に決められません。北ヨーロッパの祈りの画像を学びながら、キリストを肖像のように生々しく描く姿勢がよく分かる一枚です。
出典・画像について
画像:Antonello da Messina《祝福するキリスト》/祝福するキリスト — Antonello da Messina / Wikimedia Commons / 忠実な二次元複製 / Public Domain Mark 1.0
配布画像の全景を保持。作品内容の切り取り・色補正・拡大補間なし。
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