顔がすぐ近くまで迫ります。柱や縄はわずかに見えるだけで、上を向く目と開いた口から場面を知る絵です。
何が描かれているか
茨の冠をかぶったキリストが顔を上げ、口を開いています。首には縄が掛かり、左端に柱の一部が見えます。全身も、苦しめる人々も描かれません。目や唇、乱れた髪を近くに置くことで、一人の苦痛から目をそらしにくい構図になっています。
作品の見どころ
髪の細い線と涙の光に対し、首や肩は大きな面として描かれています。細部へ近づいた後、少し離れて頭全体の向きを見ると、表情だけでなく体の動きにも気づきます。ピアチェンツァの《この人を見よ》と比べれば、余白を減らすことで生まれる近さの違いが分かります。
制作背景
ルーヴルの目録が記す大きさは、高さ30センチ、幅21センチです。この小さな板の中に、顔が大きく迫る距離を作っています。年代は同館が「15世紀」と広く記載しているため、確かな制作年には絞りません。目や涙の細部と、顔全体の向きの両方から、その近さを見てみてください。
出典・画像について
画像:Antonello da Messina《柱に縛られたキリスト》/柱に縛られたキリスト — Antonello da Messina / Wikimedia Commons / 忠実な二次元複製 / Public Domain Mark 1.0
配布画像の全景を保持。作品内容の切り取り・色補正・拡大補間なし。
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