強い眼差しから「傭兵隊長」と呼ばれてきた肖像。ただし、その呼び名が職業の証明になるわけではありません。
何が描かれているか
短く揃えた髪の男性が、体を斜めにしてこちらを見ています。黒い服と背景がつながり、白い襟と明るい顔が浮かびます。顎の線や口の輪郭ははっきりしていますが、顔には細かな明暗の移り変わりもあり、硬い彫刻とは違う生身の柔らかさがあります。
作品の見どころ
目の強さだけでなく、口を閉じた形と、頬から顎へ下る影を見てみてください。表情を大きく動かさずに、一人の存在を印象づけています。下の欄干に貼られた紙片は署名札です。絵の中の紙でありながら、現実にそこへ貼られたもののように見える仕掛けでもあります。
制作背景
署名札には1475年の年記があります。ルーヴルの目録は、ジョルジョ・コルネールではないかという説を疑問符付きで載せていますが、確定はしていません。「コンドッティエーレ」は通称として残し、実在の傭兵隊長を描いた史料としては扱わないことにします。
出典・画像について
画像:Antonello da Messina《男の肖像(通称「コンドッティエーレ」)》/男の肖像(通称「コンドッティエーレ」) — Antonello da Messina / Wikimedia Commons / 忠実な二次元複製 / Public Domain Mark 1.0
下部の欄干と署名札を含む全景。900×1093pxの原画像を拡大せず使用。
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