1475年頃
40代半ば頃

書斎の聖ヒエロニムス

画家 アントネッロ・ダ・メッシーナ →
Saint Jerome in his Study / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
大きな建物の中に、もう一つ小さな仕事場。本を読む聖人へ、床や棚が視線を導きます。

何が描かれているか

石のアーチの向こうで、赤い衣の聖ヒエロニムスが本を読んでいます。建物全体に比べると人物は小さく、木の机と棚を備えた仕事場が、中央に据えられています。手前には鳥、棚には本や器。窓の外の明るい風景も、読書の静かな時間を取り囲んでいます。

作品の見どころ

まず床の模様を奥へ辿り、それから棚の小さな物へ目を向けてみてください。石、木、紙、陶器が、それぞれ違う手触りを持つように描かれています。聖人の姿を大きく見せる代わりに、働く場所と身近な道具を丁寧に示すことで、その人の暮らしまで想像させます。

制作背景

館は1475年頃、ヴェネツィア時代の作品と位置づけています。北ヨーロッパ絵画に学んだ細密な油彩ゆさいは、当時の鑑賞者にもその系統の作品と思わせるほどでした。ただし、ファン・エイク本人から直接技法を習ったという話は、現在ではきわめて考えにくいとされています。

作品情報

材質・技法
油彩・菩提樹材の板
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
目録番号
NG1418

出典・画像について

画像:Antonello da Messina《書斎の聖ヒエロニムス》/書斎の聖ヒエロニムス — Antonello da Messina / Wikimedia Commons / 忠実な二次元複製 / Public Domain Mark 1.0
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