赤子を世話する女性たちを中心に据えた宗教画。
何が描かれているか
生まれたばかりの洗礼者ヨハネを、女性たちが囲んで世話している。一人が赤子を支え、別の女性が水や布の準備をする。画面の左奥には、寝台の母エリサベトと年老いた父ザカリアがいる。主題は聖書の出来事だが、前景で目を引くのは日々の育児に近い行動である。何をする手かを順に見ると、神聖な誕生が一つの家庭の出来事としても伝わる。
作品の見どころ
赤子は明るい肌で中心に置かれ、周囲の衣服の色が視線を集める。左の父母と中央の女性たちは、同じ場にいながら別々の小さな集団を作る。右奥の開いた場所は、室内に奥行きを与える。大きな画面でも、人物の動きを追うと出来事が読みやすい。ユディトのような激しい場面だけでなく、日常の手つきで歴史画を組み立てた画家の幅が見える。
制作背景
プラド美術館は1635年頃の作品とし、マドリードのブエン・レティーロ宮のための洗礼者ヨハネ連作の一枚と説明する。連作には他の画家も参加した。所蔵館は一部の筆づかいから共同制作の可能性にも触れるため、画面のすべてを一人の手と断言しない。ナポリで活動した時期に、大規模な注文へ応じた仕事である。
出典・画像について
画像:Artemisia Gentileschi《洗礼者ヨハネの誕生》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程の法域による扱いには差があり得る。
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この画家について本で読む
アルテミジア・ジェンティレスキ 女性画家が生きたナポリ
川合真木子 著 / 晃洋書房
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