1615~1616年頃
23歳頃

傾かし向の寓意

画家 アルテミジア・ジェンティレスキ →
Allegory of Inclination / カーザ・ブオナローティ
才能への生まれつきの傾きを、雲上の女性として表す。

何が描かれているか

雲に座る女性が、片手にコンパスを持つ。「傾向」とは、ここでは芸術へ自然に向かう才能を意味する。カーザ・ブオナローティの天井装飾の一部で、ミケランジェロの生涯をたたえる計画に組み込まれた。現在見える体を覆う布は、アルテミジアが最初から描いたものではない。後の時代に描き加えられた部分を含む姿として、画面を見分ける必要がある。

作品の見どころ

縦に長い画面で、人物の体と雲が上へ伸びる。手にしたコンパスは、芸術の技能や知的な仕事を思わせる。金色の布と青い布、雲の明るさは、天井の高い位置からも姿を読み取れるように働く。後世の加筆を「元の絵」と同じように受け取らず、何が見えているかを意識したい。それでも、女性を単なる飾りではなく、才能を象徴する中心人物に据えた構想が伝わる。

制作背景

所蔵館は1615~1616年頃の作とし、発注者ミケランジェロ・ブオナローティ・イル・ジョーヴァネのもとで制作されたと説明する。近年の修復・調査は、後世の布の下にあった当初の姿を改めて検討した。この絵を、作品が完成してから何世紀も経た後まで続く変更の歴史とともに見ると、所蔵品の「現在の姿」と画家の構想が必ずしも同じでないと分かる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
カーザ・ブオナローティ(inv. 241)

出典・画像について

出典:カーザ・ブオナローティ 作品記録(2026-09-26 確認)
画像:Artemisia Gentileschi《傾向の寓意》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(画像情報:2026-09-26 確認)
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程の法域による扱いには差があり得る。
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