ポッツオーリ円形闘技場の聖ヤヌアリウス
画家 アルテミジア・ジェンティレスキ →The Martyrdom of Saint Januarius in the Amphitheatre at Pozzuoli / ポッツオーリ大聖堂
教会の大きな注文で描いた、聖人の伝説の場面。
何が描かれているか
ナポリ近郊のポッツオーリで語られる聖ヤヌアリウスの伝説を描く。聖人と仲間たちは円形闘技場へ連れてこられ、獣に襲わせる刑を受けるはずだった。しかし伝承では、獣は彼らに襲いかからなかった。画面の人物、獣、観客を追うと、恐怖と驚きが同じ場所で起きている。これは史実を記録した写真のような絵ではなく、地域の信仰に結び付いた物語画である。
作品の見どころ
聖人たちは画面の下方にまとまり、獣や周囲の人々との距離によって緊張が生まれる。建物の曲線は円形闘技場という場所を知らせ、大きな画面を見上げる人にも場面が伝わる。小さな肖像や個人蔵の絵とは違い、教会の空間に置かれることを考えて描かれた。近くで細部を見るのと、離れて全体の動きを見るのとでは印象が変わる。
制作背景
イタリア文化省の地域文化財監督局は、ポッツオーリ大聖堂の絵画群にアルテミジアのこの作品を含め、1632年に始まった大聖堂改修との関係を記す。制作年は資料に幅があるため、ここでは1630年代とした。ナポリ時代の仕事には、私的な注文だけでなく教会の大画面もあったことを示す重要な例である。
出典・画像について
画像:Artemisia Gentileschi《ポッツオーリ円形闘技場の聖ヤヌアリウス》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程の法域による扱いには差があり得る。
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この画家について本で読む
アルテミジア・ジェンティレスキ 女性画家が生きたナポリ
川合真木子 著 / 晃洋書房
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