《ユディト》をさらに大きな画面と強い色で描いた版。
何が描かれているか
ユディトと侍女が、眠っていた敵将ホロフェルネスに向かう。黄色の衣を着たユディトは剣を持ち、青い衣の侍女は男の体を押さえる。旧約聖書の物語で、ユディトは町を救うために危険な行動を選んだ。血や抵抗の様子も描かれ、穏やかな場面ではない。女性二人の腕と姿勢に注目すると、物語の結果だけでなく、実際に力を合わせている動きが見える。
作品の見どころ
衣装の黄色と青、白い寝具、赤い血が暗い背景からくっきり分かれる。腕、剣、体の線が画面の中央へ集まり、目は自然にそこで止まる。ナポリにある早い版と見比べると、人物の衣装や位置、色の使い方が違い、画家が同じ主題を描き直していることが分かる。目を背けたくなる表現でも、色の配置や視線の流れを追えば、場面をどう構成したかを読み取れる。
制作背景
所蔵するウフィツィ美術館は制作を1620年頃とする。アルテミジアがフィレンツェでメディチ家の注文を受けていた時期の作品で、同館はカラヴァッジョの表現も意識しながら説明する。この絵を画家自身の体験に直接置き換える解釈は証明できない。二つの《ユディト》を並べ、主題、注文、画面の大きさと表現の選択を考えたい。
出典・画像について
画像:Artemisia Gentileschi《ホロフェルネスの首を斬るユディト(ウフィツィ版)》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
CommonsのPublic Domain Mark / PD-Art表示に基づく忠実な複製。複製写真と所蔵館規程の法域による扱いには差があり得る。
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川合真木子 著 / 晃洋書房
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