眠る弟子たちの向こうから、逮捕の一行が近づいてきます。緊迫した物語を包むのは、夜明けの雲と、岩に広がるやわらかな光です。
何が描かれているか
キリストが岩の上でひざまずき、天使の示す杯を見上げています。手前の三人の弟子は眠ったまま。川の向こうでは、裏切った弟子ユダが兵士たちを導いています。逮捕を目前にした、ゲツセマネの祈りの場面です。
作品の見どころ
岩は角ばり、衣服のひだも鋭く折れています。その硬さと見比べたいのが、空の淡い桃色です。明るさは雲や遠くの建物、キリストの衣へ少しずつ広がり、冷たい石の世界に朝の空気が通います。
制作背景
構図には、父ヤコポの素描や、義兄弟マンテーニャが描いた同じ主題とのつながりがあります。人物の形をくっきり示すことと、移ろう光で全体を結ぶこと。その二つが隣り合うところに、初期のベッリーニの面白さがあります。
出典・画像について
画像:Giovanni Bellini《ゲツセマネの祈り》/ゲツセマネの祈り — Giovanni Bellini; Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
配布全景を比例縮小。追加の切り抜き・色補正なし。
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