横たわる老人を、三人の若者が取り囲みます。布を持つ手と顔の向きだけで、同じ光景に対するそれぞれの態度が見えてくる、晩年の聖書画です。
何が描かれているか
題名のノアが、葡萄の葉の下で酔って横たわっています。周りには三人の若者がかがみ、赤い布を差し出す手が、老人の体の上を渡っています。遠い町や山を広く描く作品とは違い、ここでは人物が絵の大部分を占めています。
作品の見どころ
見比べたいのは、顔の向きです。中央の若者が老人の方へ顔を向ける一方、両側の二人は視線をそらしながら布を広げています。何を見るのか、何を見ないようにするのか。わずかな身振りの違いが、三人の関わり方を分けています。
制作背景
ブザンソンの所蔵館は、この聖書の場面を1515年頃の作品としています。晩年のベッリーニは、静かな聖母子だけでなく、神話の宴や、人物同士の動きが濃く交わる主題にも取り組みました。《鏡の前の若い女》と見比べると、最後まで続いた表現の幅が伝わります。
出典・画像について
画像:Giovanni Bellini《ノアの泥酔》/ノアの泥酔 — Giovanni Bellini; Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
配布全景を比例縮小。追加の切り抜き・色補正なし。
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