聖母子の背後の緑の幕に、やわらかな影が落ちています。両側にのぞく二本の木とその影が、静かな像を夕方の空気へ結びつけます。
何が描かれているか
マリアが幼いキリストを支え、その後ろに緑の幕が張られています。幕の左右から細い木が一本ずつ伸び、遠くには丘と山が見えます。「二本の木」という呼び名は、この両脇のポプラに由来します。
作品の見どころ
幕を平らな背景として見ず、マリアの影を探してみます。人物のすぐ後ろにも光の届く空間があり、その光は木の葉や遠い地平にも続いています。聖母子を大きく近づけながら、両端の狭い風景まで同じ空気でつないでいるのです。
制作背景
手前の緑色の石の縁には署名と1487年の年記があります。年代が定まらない作品も多いベッリーニにとって、画業の変化を考える大切な手がかりです。繰り返し描いた聖母子という主題にも、影の置き方や景色の見せ方を試す余地がありました。
出典・画像について
画像:Giovanni Bellini《二本の木の聖母》/二本の木の聖母 — Giovanni Bellini; Photo: Didier Descouens / CC BY-SA 4.0
配布全景を比例縮小。追加の切り抜き・色補正なし。 写真はCC BY-SA 4.0です。
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