キリストの衣は白く輝いているのに、足元には柵や石、遠くには家が見えます。聖なる出来事を、空気の通う身近な風景へつないだ絵です。
何が描かれているか
白い衣のキリストの左右に、モーセとエリヤが立っています。下にいる三人の弟子は、顔を上げたり身をかがめたりして、その姿を見ています。キリストが光り輝く姿を現す「変容」の場面です。
作品の見どころ
人物の足元から、割れた岩や木の柵、川辺の建物、遠い山へと目を移してみます。奇跡を描く場所にも、土や木や水の手触りがあります。白い衣の明るさだけでなく、風景全体に行き渡る光が、上下の人々を同じ世界に置いています。
制作背景
修復時の調査では、両側の預言者は当初、目を開いてキリストを見る姿だったことが分かりました。ベッリーニはその瞼を伏せ、黙想するような顔へ描き直しています。静かな表情も、最初から一度で決まったものではなかったのです。
出典・画像について
画像:Giovanni Bellini《キリストの変容》/キリストの変容 — Giovanni Bellini; Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
配布全景を比例縮小。追加の切り抜き・色補正なし。 2020年の修復前の配布写真です。
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