『アメリカ―ひとつの予言』口絵
画家 ウィリアム・ブレイク →America a Prophecy: Albion’s Angel, Frontispiece / イェール英国美術センター
翼を折った大きな人物と小さな家族が、暗い口絵に集まる。
何が描かれているか
大きな翼を持つ人物が、頭を垂れて両腕を膝へ寄せている。右側には母と子と思われる小さな人物たちが集まり、背後には暗い岩や雲が続く。翼は空へ開くのでなく、垂直に閉じて体を覆うように見える。大きな体の動けなさと、そばにいる小さな人々の密なまとまりが、画面の緊張を生んでいる。
作品の見どころ
人物の背中や翼の筋を照らす茶色は、背景の深い暗さから浮かぶ。横に走る光の線はわずかで、広い空も出口も見つけにくい。体の大きさが力強さを示すとは限らず、ここでは重さや閉塞を感じさせる。翼の先から裸足へ、さらに右の子どもたちへ視線を移すと、画面内の力の違いが具体的に分かる。
制作背景
1793年に原版が作られた『アメリカ―ひとつの予言』の口絵で、イェール英国美術センターは図を「アルビオンの天使」と記録している。茶色の彩色刷りに、水彩とペン、黒インクを重ねた紙の作品である。後から色を加えた一枚を、同じ本の別の刷りと同一の外観だと考えることはできない。掲載画像の濃い闇と人物の輪郭をまず見ておきたい。
作品情報
材質・技法
彩色刷りのレリーフ・白線エッチングに水彩、ペン、インク
出典・画像について
画像:ウィリアム・ブレイク《『アメリカ―ひとつの予言』口絵》/Yale Center for British Art
所蔵館の公開画像(CC0)。
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