光の円から伸びるコンパスで、世界を測る理性と創造の緊張を表した。
何が描かれているか
白髪とひげの人物が赤い光の円から身を乗り出し、大きなコンパスを下へ伸ばす。
周囲は暗い雲に包まれ、円の下から光線が地面へ広がる。人物は片膝を深く曲げ、長い髪とひげを風になびかせながら円の外へ腕を伸ばす。コンパスの二本の脚は画面下へ開き、暗闇の中に測定の範囲を作っている。
作品の見どころ
丸い光、折り曲げた身体、鋭いコンパスが一つの中心から放射し、強い秩序を作る。
創造者の堂々とした姿と、測る道具へ縛られた窮屈な姿勢を同時に見ることができる。身体の曲線は光の円に沿い、腕と道具だけがそこから鋭く外へ出る。赤、黄、黒の限られた色と放射状の線によって、小さな版画にも強い中心が生まれる。
制作背景
1794年刊行の詩画集『ヨーロッパ―ひとつの予言』の口絵。ブレイク自身が文字と図像を版に刻り、各部を手彩色した。
人物はブレイク神話のウリゼンと結びつけられ、世界を測り分ける理性の力を表すと読まれている。これは独立した一枚として知られるが、もとは詩と図像を同じ版面で構成した本の入口である。ウリゼンを聖書の創造神とそのまま同一視せず、ブレイク独自の人物として扱う。
出典・画像について
画像:William Blake《日の老いたる者》/日の老いたる者 — William Blake / Wikimedia Commons
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