1824〜1827年
66〜69歳頃

車上からダンテに語るベアトリーチェ

画家 ウィリアム・ブレイク →
Beatrice Addressing Dante from the Car / テート・ブリテン
車上のベアトリーチェと、左右へ広がる行列を見渡す。

何が描かれているか

白い服のベアトリーチェが、車の上から人々へ向き合っている。周りには本を持つ人物や、色の違う衣服を着た人々が並び、右側のダンテへ視線が集まる。中央の車の前には羽を持つ生き物の頭と胴が見える。直線的に並ぶ人々の間へ、大きな翼や車輪の曲線が入り、行列の中心を特別な場所にしている。

作品の見どころ

淡い水彩は重なっても白い紙の明るさを残し、その上を細い輪郭りんかく線が走る。左の細長い人物たちから中央の車輪へ、さらに右の赤い衣服へと目を動かすと、混み合った場面の区切りが見える。人物の顔を一人ずつ読むだけでなく、衣服の縦の線と、翼や車の丸い形を比べてみたい。遠い空には、弧を描く帯が場面全体を包んでいる。

制作背景

1824〜1827年に制作された『神曲』挿さ絵の水彩で、テートの所蔵である。掲載作はN03369で、似た題名を持つ別のダンテ挿絵と区別できる。ブレイクは晩年、画家ジョン・リネルの依頼で、この長い詩の場面を絵にした。黒い彫線の『ヨブ記』と並べると、薄い色を重ねる水彩が、多くの人物と光を同じ空間へ収める方法も見えてくる。

作品情報

材質・技法
紙にインクと水彩
所蔵
テート・ブリテン
目録番号
N03369

出典・画像について

画像:ウィリアム・ブレイク《車上からダンテに語るベアトリーチェ》/Commons掲載の忠実な平面複製(撮影者記載なし)
画像の出典 / Public domain(個別PD表示) / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-28 確認)
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