『ヨブ記』再び栄えるヨブと妻
画家 ウィリアム・ブレイク →Job and his Wife restored to Prosperity / メトロポリタン美術館
再び集まった家族は、冒頭で眠っていた楽器を奏でる。
何が描かれているか
ヨブと妻の周りに家族が集まり、竪琴や笛などを奏でている。手前の羊、後ろの木々、遠くの建物は、連作冒頭の《ヨブと家族》とよく似るが、人物の手や体は動いている。中央のヨブは顔を上げ、家族も楽器や互いの方へ向く。試練の終わりは、財産の回復だけでなく、人々が共に行動する景色として描かれている。
作品の見どころ
細い弦、持ち上げた腕、傾いた楽器の線が、横に長い人物の列に変化を加える。木の枝の下へ収まるまとまりは保ちながら、冒頭よりも目が左右へ動きやすい。画面の外側には銘文や草木の飾りが広がる。音は聞こえないが、楽器を支える手と体の向きを一つずつ見ると、家族の活動を目から読み取ることができる。
制作背景
『ヨブ記』挿絵の最終第21図である。掲載版はメトロポリタン美術館の所蔵で、1825〜1826年と記録される。ブレイクは聖書の物語を、最初と最後の家族の場面が対応する連作にした。枝に楽器が掛かったままの冒頭と、ここで奏でられる楽器を比べてみたい。同じ場所に戻ったように見えても、人々の身振りが変わることで、物語の前後の違いが伝わる。
出典・画像について
画像:ウィリアム・ブレイク《『ヨブ記』再び栄えるヨブと妻》/Metropolitan Museum of Art
所蔵館の公開画像(CC0)。
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