1794年原版/1825年頃印刷
原版制作時 36〜37歳頃

『経験の歌』ロンドン

画家 ウィリアム・ブレイク →
Songs of Experience: London / メトロポリタン美術館
街の苦しみを語る詩と、老人を導く子どもが並ぶ。

何が描かれているか

ページ上部では、小さな子どもが杖をつく老人の手を取っている。二人の後ろには灰色の壁が続き、広い街並みは見えない。下の詩は、通りを歩く語り手が人々の弱さや苦しみを聞く内容で、煙突掃除の子どもや兵士、若い女性も登場する。一組の人物の姿と、街全体に広がる声が、同じ紙面に置かれている。

作品の見どころ

老人の青い衣服は重く下がり、子どもの腕は上へ伸びる。その動きを見てから詩へ移ると、助ける側と助けられる側の関係を考えやすい。右下には火のような赤い形と小さな人物があり、穏やかな装飾だけでページが終わらない。文字の周囲の寒色と暖色の差も、詩の落ち着かない響きに重なって見える。

制作背景

『経験の歌』の原版は1794年に制作された。掲載するのは、1825年頃に刷ったコピーYの第46図で、水彩と金の絵具の手彩色が施されている。ここでのロンドンは、名所を紹介する風景ではない。大きな建物より、詩が取り上げる弱い立場の人と、画面で身を寄せる二人を結び付けて読むと、この街の捉え方が伝わる。

作品情報

材質・技法
レリーフ・エッチングに水彩と金の絵具による手彩色
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
17.10.46
掲載本
コピーY(1825年頃の刷り)

出典・画像について

画像:ウィリアム・ブレイク《『経験の歌』ロンドン》/Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-28 確認)
所蔵館の公開画像(CC0)。 作品外の撮影台・台紙を透過。原紙・絵・文字は保持。
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