恐ろしい詩の言葉と、どこか穏やかな虎の姿を比べたい。
何が描かれているか
長い詩の下で、一頭の虎が横向きに立っている。縞模様の体はしっかり描かれるが、丸い目や口元には、激しく襲いかかる獣の表情はない。一方、詩は夜の森で燃える虎を呼び、恐ろしい力を誰が作ったのかと問い続ける。絵の親しみやすさと、言葉が呼び起こす畏れの間に、簡単には埋まらない距離がある。
作品の見どころ
右側の木は、細い画面を縦に貫きながら枝を文字へ伸ばしている。青、黄、赤茶色の小さな色面が、文字と幹の間で交互に現れる。虎の背から尾へ続く線を追ったあと、詩の繰り返しへ目を戻してみたい。どちらか一方をもう一方の説明にせず、言葉と絵が異なる調子を持つページとして読むことができる。
制作背景
1794年に原版を作った『経験の歌』の一篇で、掲載本は1825年頃に印刷・手彩色されたコピーYである。詩中には、子羊を作った者が虎も作ったのかという問いがある。先行する『無垢の歌』の《子羊》と並べると、世界を信頼する声と、創造の怖さを問い直す声を、文字だけでなく動物の姿からも比較できる。
作品情報
材質・技法
レリーフ・エッチングに水彩と金の絵具による手彩色
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