何が描かれているか
静かな水面を小舟が進み、岩に囲まれた島へ近づく。舟には白い姿と棺のような形が見える。題名は《死の島》だが、誰が運ばれ、なぜここへ来たのかを一つに決める説明はない。細長い糸杉と岩の入口を見ると、舟が向かう場所の静けさが強く伝わる。
作品の見どころ
左右の岩が島の中央を囲み、黒い木々へ視線を集める。水面の水平線は低く、動く舟は小さい。大きな出来事は描かれないが、島と舟の間の距離そのものが時間の流れを感じさせる。暗い色の中で白い姿だけが目立ち、見る人はそこから物語を想像する。舟の動きが遅く感じられるほど、水面は静かに描かれている。島へ着く直前の長い間を味わいたい。
制作背景
メトロポリタン美術館は1880年、板に描かれた油彩画で《死の島》の第二版と記録する。マリー・ベルナが制作途中の第一版を見て依頼した版で、現在の所蔵先はニューヨークである。画家は同じ主題を計五つの版で描いた。ベルリンにある第三版とは別の作品として示している。
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