1855年頃
28歳頃

泉のほとりのニンフ

画家 アルノルト・ベックリン →
Nymphe an der Quelle / シャック・コレクション(ミュンヘン)
暗い木立の中、水のそばに女性が身を寄せている。

何が描かれているか

暗い木立の中、水のそばに女性が身を寄せている。題名のニンフは、ギリシア神話で泉や森に結びつく精霊である。現実の人物の肖像として見るより、自然の中に人の形を見いだした場面として見たい。小さな明るい部分に目が慣れると、人物と水辺の位置が少しずつ分かってくる。

作品の見どころ

木々は画面の大半を覆い、泉の近くだけに光が差す。女性を大きく中央に置かないため、最初は風景画に見えるかもしれない。暗さを通して、森の奥をのぞき込むような感覚が生まれる。緑と褐色かっしょくを重ねた静かな画面で、人と自然の境目を探してみよう。人物を見つけるまでの時間も、この絵を眺める面白さの一つである。

制作背景

ミュンヘンのシャック・コレクションは1855年頃の油彩ゆさい画として記録する。ベックリンは後年も神話の存在を海や森に登場させたが、この初期作では動きより気配が前に出る。実際の風景を細密に写すことだけを目的とせず、目に見えない物語を自然の中に重ねる方法がすでにうかがえる。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩
所蔵
シャック・コレクション(ミュンヘン)

出典・画像について

出典:所蔵館 作品資料(2026-09-27 確認)
画像:Arnold Böcklin《泉のほとりのニンフ》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。二次元複製の扱いには法域による留保がある。
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