死がバイオリンを弾く自画像
画家 アルノルト・ベックリン →Self-Portrait with Death Playing the Fiddle / ベルリン旧国立美術館
画家がこちらを向き、その背後で骸骨がバイオリンを弾く。
何が描かれているか
画家がこちらを向き、その背後で骸骨がバイオリンを弾く。人物はベックリン自身で、骸骨は死を表す姿である。見えないはずの死が肩のすぐそばにいる構図は、怖い話の挿絵のようでもあり、自分の時間を意識する自画像でもある。画家が何を聞いているのかを想像しながら、二人の顔の距離を見てほしい。
作品の見どころ
黒い服と暗い背景の前で、顔と手、楽器の形が浮かぶ。画家の視線は正面へ向かうが、骸骨は耳元で演奏に集中しているようだ。弦や弓を追うと、静止した絵から音が立ち上がる。肩越しの配置により、死は遠い未来の出来事ではなく、今ここに迫る存在として感じられる。画家の手元には絵筆とパレットも見える。
制作背景
ベルリン旧国立美術館は1872年の作品と記録し、死がバイオリンの一本の弦を弾いていると解説する。これは実際に骸骨と対面した記録ではなく、死を人の形にした象徴的な表現である。神話の怪物を描いた作品と同様、見えない概念を具体的な姿に変える画家の力がよく分かる。
出典・画像について
画像:Arnold Böcklin《死がバイオリンを弾く自画像》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。二次元複製の扱いには法域による留保がある。
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