羊飼いの嘆き(アマリュリス)
画家 アルノルト・ベックリン →Die Klage des Hirten (Amaryllis) / シャック・コレクション(ミュンヘン)
花の下で笛を持つ羊飼いが立ち、左の洞窟にはニンフが座る。
何が描かれているか
花の下で笛を持つ羊飼いが立ち、左の洞窟にはニンフが座る。題名のアマリュリスは、呼びかける相手の名である。ミュンヘンの所蔵館は古代ギリシアの詩人テオクリトスの牧歌と結びつけ、恋に悩む羊飼いがニンフの洞窟を訪れる場面と説明する。画面の人物の姿だけで感情を決めつけず、題名と合わせて見ていきたい。
作品の見どころ
羊飼いの明るい肌と、洞窟に沈む女性の姿が対照を作る。花、笛、足元の壺を順に見てから、影の中のニンフへ目を戻したい。恋の物語を劇的なしぐさで語るのではなく、周囲の景色と人物の距離で孤独を感じさせる。古い物語を身近な山野へ移したような画面である。
制作背景
シャック・コレクションは1866年の油彩画として記録する。古代の詩を参考にしたことは所蔵館の作品解説で確認できる。一方、この場面を詩のどの行と一対一に対応させるかまでは画面だけで分からない。後の《オデュッセウスとカリュプソ》と同じく、文学上の人物を風景の中で見せる画家の方法に注目したい。
出典・画像について
画像:Arnold Böcklin《羊飼いの嘆き(アマリュリス)》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark
Commonsはパブリックドメインと表示。二次元複製の扱いには法域による留保がある。
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