何が描かれているか
波の間からトリトンが身を起こし、ほら貝を吹く。そばには海の精ネレイデスがいて、水の向こうに大きな海の生き物も見える。二人はギリシア神話に由来する存在だが、ここでは神話の登場人物が目の前の海にいるように描かれる。貝の音へ向く体と、波に押される体の違いを見てみよう。
作品の見どころ
横長の画面では、緑がかった水と褐色の体が入り交じる。波のうねりに沿って人物を置くため、神と海が別々の層にならない。画面の端に現れる生き物の模様を探すと、水中にも奥行きがあることが分かる。海は穏やかな背景ではなく、登場人物と同じくらい強い動きを持っている。貝の形と波の線、人物の視線も見比べたい。
制作背景
シャック・コレクションは1874年の油彩画とし、トリトンが貝を吹き、ネレイデスが海の怪物へ目を向けると説明する。画家は古典の名を借りながら、体の重さや濡れた波を具体的に見せた。後年の《波の戯れ》と比べると、海の存在を描く方法がどう変わったかを追える。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
ベックリーン《死の島》新装版
フランツ・ツェルガー 著・高阪一治 訳 / 三元社
《死の島》の複数の版、主題、受容を詳しく扱う研究書。
楽天ブックスで見る →