水中の体と浴室の色が、青、黄、紫の細かな面に重なる。
何が描かれているか
女性が浴槽の中に横たわり、長く伸びた体の周囲に、水、浴槽の縁、壁や床が重なっています。青、黄、紫が肌にも部屋にも入り、人物と周囲の境目が揺れるように見えます。1936年の《浴槽の裸婦》は、妻マルトの入浴を描いた作品です。水に包まれる体を探すとき、輪郭線だけでなく、色が変わる場所にも目を向けると姿をつかみやすくなります。
作品の見どころ
床の斜めの模様は、浴槽の長い形とは別の方向に視線を動かします。水面はただ透明な面ではなく、光と肌の色を受け止め、体を浴室全体へ結びつけています。近くでは色の違いを、離れては浴槽と体の大きな形を見てみましょう。何が描かれたかを一度で読み終えるより、人物と背景を往復して見る面白さのある画面です。
制作背景
パリ市立近代美術館所蔵の油彩画で、1937年に取得されました。1925年の《浴槽》と比べると、同じ入浴の主題でも、体と部屋の色の関係が異なります。さらに《浴槽の裸婦と小犬》まで続けて見ると、水や肌の輪郭が周囲へ混じる晩年の表現へ目を向けられます。作品を一つの連続場面と決めつけず、それぞれの画面の組み立てを比べると分かりやすくなります。
出典・画像について
画像:ピエール・ボナール《浴槽の裸婦(1936年)》/Paris Musées / Musée d’Art moderne de Paris
Paris Muséesの個別CC0表示を確認した全景画像。WebPへ縮小。 米国での原作品の公表・保護条件は独立には確定していません。
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