拳を上げる自分を描いた肖像。ポーズと色の対照を見る。
何が描かれているか
裸の上半身の男性が、両手を上げてこちらへ顔を向けています。これは競技の場面ではなく、ボナールが1931年に描いた自画像です。拳を構える姿から《ボクサー》と呼ばれます。顔、胸、腕には赤や黄、暗い色が入り、体の起伏だけでなく、周囲との色の違いが人物を浮かび上がらせています。拳から顔へ目を移すと、不思議なまとまりに気づきます。
作品の見どころ
NGVの作品解説では、浴室の鏡を使った自画像として紹介されています。鏡を見る日常の動作から、普段と違うポーズの肖像が生まれています。ただし、この姿だけで、画家にボクシングの競技歴があった、誰かと争っていた、という物語を決めることはできません。まず手の位置、肩の線、顔と背景の色を見比べると、描かれた姿そのものを楽しめます。
制作背景
オルセー美術館所蔵の油彩画です。室内や庭の絵では、人物が小さく周囲に溶け込むことがありますが、ここでは画家自身が近くに現れます。それでも肌と背景は色を通じて結びついています。《格子柄のブラウス》や《ミシア・ゴデプスカ》と比べると、他者の肖像と自分の姿で、人物の配置や、何を強く見せるかの違いが分かります。
出典・画像について
画像:ピエール・ボナール《ボクサー(自画像)》/Pierre Bonnard / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実な平面複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。 米国での原作品の公表・保護条件は独立には確定していません。
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この画家について本で読む
もっと知りたいボナール 生涯と作品
高橋明也 監修・著/島本英明 著 / 東京美術
ナビ派、日本美術からの影響、室内や庭の主題を、生涯の流れに沿って図版とともに読める初心者向けの一冊です。
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